電話占い業者からのスカウト

とある電話占い会社からスカウトのメールが届きました。ちょっと興味があったので、メールの署名に書かれていた電話番号に電話をかけてみました。

スカウトのメールと言っても、この手の詐欺めいたスパムメールもよくあるわけで、今回受け取ったメールもやはりどこか怪しい印象はありました。

文面はそこそこまともに見えるものの、会社のサイトのURLはどこにも記載がありません。そこで、記載されていた「株式会社○○○」という社名でネットを検索してみたところ、電話占い会社らしきサイトには全くヒットしませんでした。同名の全く異なる業種の会社ばかりがヒットします。

実を言うと、社名のカタカナ部分「○○○」には確かに見覚えがあり、そういう名前の電話占い業者もあることは知っていましたが、だからこそ、それに似せた架空の会社を名乗って騙そうとしているのではないかと、ますます疑いが強まりました。その手の成り済まし詐欺はいくらでもあります。

こういう怪しいメールは悪質なスパムとしてさっさと削除するのが常ですが、一応「スカウト」という名目で「アポロ」を名指しでメールを書いてきているので全てを疑うということもできません。ちょっとだけそれに乗っかってみるのも面白そうだと思いました。

普通はメールで返信するところですが、怪しい詐欺師相手の場合はメールだと弱みを握られやすいので、いきなり電話をかけてやることにしました。その方が確実に相手を見極められます。

記載されていた電話番号の市外局番は東京で、こちらは長野県なので長距離通話になりますが、国内ならば無料で通話も可能な電話を使っているので問題はありません。

電話を掛けると、まずは受付係と思われる女性の方が応対します。スカウトのメールを受け取ったことを伝えると、しばらくして担当者の男性に代わりました。

メールを送ってきた人物は名前も書いてあったので、電話口の担当者はそのメールの人なのかと聞いてみたのですが、電話に出たのは別の名前の人でした。「担当者は○○さん(メールを書いてきた人)ではないのですか?」と聞いてみると、その人は今いないと言います。だったら何のためにメールにわざわざ名前を書いたのだと、ここでも疑わしい印象を受けてしまいました。

スカウトと言いつつ信用ならないものだなと思います。スカウトってのは、その担当者がこちらのことをきちんと見極めたうえでメールを送ってくるものだと思うのですが、その担当者が何の責任も持たないのなら意味がありません。無差別にDMのスパムを送っているのとまったく同じです。こんな業者を信用できますか? もちろんできません。

ともかくその電話口の担当者としばらく話をさせてもらいました。

こちらが疑っていることも正直に話し、メールにURLも書かない業者など疑って当然だと、ちょっと感じの悪いクレーマーのような嫌味も言いつつ、詳しい話を聞かせてもらいました。

よくありがちな物を売りつけたりするようなマルチ商法的な詐欺の手口でもなく、電話占いで使用する携帯電話の貸し出し料金が発生するわけでもなく、契約期間内に辞めたりした場合に違約金が発生するということもなく、詐欺の手口として疑っていることは全部聞いてみましたが、そういったことは一切ないとのことでした。

担当者の態度もソフトな感じで悪い印象は全くありません。十分信用してもよさそうな感じです。一度東京のオフィスに来て話をしてほしいとも言われましたが、信用して行ってもいいとすら思いました。こういうところで電話占いの仕事をしてみるのも悪くないなと気持ちが揺れました。

占い師として採用される場合、会社との関係は「業務委託」という形になるそうです。そこに在籍する場合は、そこでの専用の占い師名を与えられるそうです。つまり、「アポロ」という名前は使えないとのこと。

別の名を名乗ることになるのは問題ありません。むしろその方が私としても都合がいいと思うくらいです。

しかし、そこまで長々と話をして、最後の最後で私が気づいて聞くまで話が出てこなかったのですが、なんと、この会社に在籍する場合、他の場所で占いの仕事を兼業することはできないとのこと。つまり、私は「占い師のアポロ」として今まで通り仕事ができなくなるということです。「アポロ」の名前を捨てろということです。

思わず耳を疑いました。スカウトの担当者は私が長年占い師としてやってきたことを知っていながらスカウトのメールを送ってきたものだと思っていました。当然「アポロ」を辞めることなど簡単にできるわけないことも理解している物だと思っていました。そういう前提で話をしているのかと思っていたのです。

そんな大事なことを、最後の最後になって私の方から聞くまで説明しなかったのです。普通、そういうことは一番最初に会社の方から説明すべきことでしょ!

さすがに「アポロ」を辞めるという選択はできないので、今回のスカウトの話は「なかったことに」ということになってしまいました。

条件的には何ら悪い話ではなかったので、かなり気持ちは「やってみたい」という方向に動いていたのですが、とんでもない落とし穴がありました。残念ですが仕方ありません。

この時聞いた話によると、電話占いの待機時間は一日最低七時間以上になるそうですが、常に順番待ちでいっぱいでかなり忙しいとのことでした。それなりに安定した収入になると考えてもいいと思います。

それに比べると今の私の仕事は割とのんびりしたものですが、世の中こんなことでいいのかな? と複雑な心境にもなりました。

電話占いで仕事をしている占い師の方々は、必ずしも全ての人が優れた占いのスキルを持っているとは言えないと思います。まったくの素人の主婦がおこずかい稼ぎや暇つぶしに軽い気持ちで在宅ワークをしているだけのつもり……というような場合もあるでしょう。ただ、必ずしもそれが悪いとは言えないのです。

相談の電話をかけてくる人たちは、本物の占いを求めているというわけではなく、ただ話相手が欲しいだけの人たちが圧倒的に多いのだと思います。親身になって話を聞いてもらえるだけでうれしいのです。占いの技術などはっきり言ってどうでもいいのです。話術と人柄。それがすべてだと言ってもいいと思います。

ただそれだけのことですが、そんな電話占いにたくさんのお客さんが順番待ちをしてまで電話をかけてくるのです。それが、人々の求めている物なんだなぁと……。

私がしている仕事はそれとは全く逆で、話術も人柄も最低だと思います。ただひたすら、真剣にタロット占いをするだけです。人々は本当はそんなものは求めていないのでしょう。だから暇なんだろうなぁと……。

「アポロ」として私がやっていることは、少し間違っているような気もしてしまいました。私はただ自分の好きなことをしたいだけ、わがままなだけなのではないかと。そんなことなら「アポロ」の名など捨てて、占い会社に身売りしてしまってもいいのかもしれない。もっと世間に擦り寄るべきじゃないのか。「アポロ」の名に執着する意味などあるのだろうか? そんなことも考えてしまいました。

今回の件でほんの一瞬の迷いもありました。でも、やっぱり私は「アポロ」を辞めないことにしました。いや、辞めるわけにはいかないのです。

「アポロ」とはもはや私自身ではありません。1997年にこの世に生まれ、今まで多くの人たちによって育て上げられてきた存在であり、私はただその魂を預かっているにすぎません。私の一存でそれを放棄することなどできないのです。

私はこれからもずっと、死ぬまで「タロット占い師のアポロ」でいるつもりです。それが私の使命なのだと思います。

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テーマ : 占い
ジャンル : 趣味・実用

tag : 占い師 電話占い スカウト

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